ニュピ明けの日の出<2017年3月>

sunrise2-29/03/17
こんにちは。今年3月のバリ島滞在のことを書いています。
素晴らしい星空と静寂の夜が明けた3月29日、午前6時に外出禁止も解かれるので、
朝6時20分頃、私も遊歩道に散歩に出ました。
まだ暗い木陰の向こう、東の空の雲間から、ぱっと明るく光が差してきました。

ニュピ明け初の日の出、いわばサカ暦新年の”初日の出”のようなものです。
sunrise1-29/03/17
バリ島の雨季は、ニュピを境にそろそろ終わると言われます。
実際にはその後も降る年が多いようですが、今回の滞在中は、
本当にニュピ前は雨が多く、ニュピの後は晴れ、という天気でした。

凪いだ海にも初日の出がくっきりと映り、空も少しずつ明るくなっていきます。
sunrise3-29/03/17
浜辺のワルンももう開いていたので、後でまた来ることにして、もう少し歩きます。

突堤や浜辺には、すでに大勢の人が遊びに来ています。
sunrise4-29/03/17
きっとニュピ明けを待ちかねて、朝6時すぐに家を出てきたのでしょう。
ホテルなど泊りがけの仕事が明け、帰る途中の人もいるかもしれません。
この時でまだ6時半なので、既にいるのは割と近くの人と思います。
遠くからの人も続々とこれから来て、もっと人が増えてきそうです。

アグン山も、山頂まで姿が見えています。
初日の出に初アグン山、何だかおめでたい感じのするサカ暦新年です。
sunriser5-29/03/17
サカ暦1939年の新年、元旦はニュピの日ということになりますが、
外出できる翌日が、日の出や山の眺めも楽しめ、晴れやかな気分が盛り上がります。

ニュピ当日は火が使用できないため、各家でも線香を使うお供えは控えるそうです。
そしてニュピ明けのこの日は、”グンバッ・グニ”と呼ばれ、新たに始まる1年の
火(エネルギー)を入れる儀式をしたり、家族が集まったりする日だそうです。
このグンバッ・グニの儀式については詳しくは知らないのですが、そういうものや、
また何かとあって忙しいのでしょう、午前中はまだ閉まっている店も多いです。

”漁師の像”も、静かなニュピの一日、ゆっくり休んだでしょうか。
sunrise6-29/03/17
今日は海もいいし、人ももうこんなに来ているなあ、なんて
また元気にいつもの朝を迎えたのでしょうね。

明日もこの朝の続きを書きます。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。
Sampai jumpa besok(また明日)!

 ※グンバッ・グニについては、次のサイトを参考にしています。
   「バリ島アクセス」より「2017年インドネシア/バリの祝日・祭日・休日」
   「サリツアーズ・バリ旅行専門店」より「インドネシアの祝祭日」
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ニュピの夕方、そして夜<2017年3月>

sunset1-28/03/17
こんにちは。今年3月のバリ島滞在、3月28日ニュピの日の続きです。
静かな一日は暮れかけ、太陽も西の空のはしっこです。
薄雲はあるものの、お天気は夜までもちそうです。

少しずつ色を深める空、木々の葉もひっそりシルエットに変わっていきます。
sunset2-28/03/17
夜になったら、ここに満天の星が輝く!と思うとワクワクしてきます。
この日はバリ島中、灯火の使用も抑えているので、夜空が本当に真っ暗なのです。
(ホテルでも庭のライトはつけないし、部屋もカーテンを閉めてと言われます)
そして新月なので、晴れれば星だけが空に輝くことになります。

泊まっていたホテルでも、レストランは午後8時終了と言われたので、
早めに夕食を食べに行きました。
ビュッフェ形式で、お料理はパクパク食べてしまったので、
デザートの写真だけです。
お腹いっぱいでも、美味しいケーキは別腹ですね。
珍しくアップルシュトゥルーデルがあったので取りました。
オーストリアやドイツのお菓子として知られる、アップルパイのようなものです。
dinner2-28/03/17
これが美味!で、お腹いっぱいだというのに懲りずにお代わりしちゃいました。

バリ島で本来は断食する日というのに・・・私は結局、いつも以上食べています。
食後のカプチーノは、ちゃんと泡のアートがありました。
dinner3-28/03/17
美味しい夕食に感謝して、部屋で少し休んでから、星を見に出ました。

この日、敷地内も夜は暗くしているので、星はどこからでも見えるのですが、
少し開けたところに行くと、すごい星空です。
ココヤシの葉も、星明かりでくっきり黒いシルエットになって見えるほどです。
天の川もよく見えて、あまりの美しさに涙が出そうになります。
辺りが真っ暗な中で空の星だけが輝き、ふと宇宙を漂っているような錯覚に陥ります。
バリ中の灯が消えているだけで、こんなに星があるなんて、とびっくりです。
昔の人は、当たり前にこの星空を見ていたのかな、と思うと羨ましくなります。
この星空が見られただけでも、今回バリに来た甲斐があったね、
と夫がふとつぶやきました。
私も同じことを思っていました。
一年に一度、バリ島にしかないこのニュピの日は、ただ静寂の中にいるだけで、
心が穏やかになっていくようです。
無事に生きていて、今回もまたバリに来てニュピの日を過ごすことができ、
素晴らしい星空を見られて良かったなと、しみじみ思いました。
星々を見上げながら、当たり前のような毎日が本当に愛おしくて、
これからも日々を大切に進んでいこう、と思えたのでした。

明日は翌朝のことを書きます。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。
Sampai jumpa besok(また明日)!
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ニュピの日・前日からのお供え<2017年3月>

sangah cucuk28/03/17
こんにちは。今年3月のバリ島滞在、3月28日夕方の続きです。
ホテル敷地内を散歩していると、サンガー・チュチュSanggah Cukcukがありました。
祭礼や儀礼の時だけ門前に立てる祭壇の一つで、この三角形の屋根のものが
”サンガー・チュチュ”だと師匠に聞きました。
詳しい意味はよくわからないのですが、ムチャル(悪霊、地霊をなだめる儀式)や
火葬関連の儀礼の時などに、この形のものを見かけます。
ニュピ前日に行う儀礼Taur Kesanga(Ngrupuk)もムチャルの一つなので、
このサンガー・チュチュを各家でも立てるのだと思います。
前日に供えた供物が中にぎっしり詰まり、横にも供物用の小さなティパットなどが
たくさんぶら下がっています。

バリ島の特別な日・ニュピについて、記しておきます。
ニュピはバリ島で古くから使われるサカ暦(太陰暦の一つ)で十番目の月、
Sasih Kadasaの初日で、新月の日になります。
西暦での日付は毎年ずれますが、大体3月終わり頃で、今年は3月28日でした。
この前日の暗月の日に、冥界の神ヤマ神が大掃除をするので、ブタ・カラBhuta Kalaが
地界から追い出され、地上に這い出てくるとされます。
※ブタ・カラは悪霊と訳されますが、シワ神の破壊的な一側面とも考えられ、
 災いをもたらす大きな力を持つとされます。
 そのため、供物と儀礼によりその力を善へと転じ、共存共栄することが大事と考えるのです。

ニュピ前日はバリ島中で悪霊払いの儀礼を行い、一年の穢れを祓い清めるのです。

ニュピはSepi(スピ=静か)が語源で「静寂の日」とも言われます。
労働、外出、火の使用、殺生が禁じられ、本来断食と瞑想で内省して過ごすそうです。
”悪霊ブタ・カラに見つからないよう、いかにも「この島には誰もいません」と言うように
家にこもり、生活の匂いも感じさせないよう過ごすのだ”とも言われます。
実際に断食するかや、静かに過ごす度合いは家や地域によっても違うようですが、
厳しいお家もあるようです。
ホテルのある女性スタッフは、「この日は娘とも一言も口を聞けない、誰とも話さない」
のだと言っていました。
子供達も、「騒いだら悪霊に見つかっちゃう!」なんて思うと、
怖くて静かになるのかもしれませんね。

観光客も宿泊施設の敷地内から出ることはできませんが、ホテルの営業自体は許され、
ホテル内のレストランで食事も出してくれます。
当日シフトに入っているスタッフは、帰れないので前夜と当日の夜は泊まり込みです。
(仕事は大変と思うけど、私が見る限り、若いスタッフは”お泊まり”も楽しいようです。)

私たちもホテルにいる限り、食事もあるし、何も心配せずのんびりしていられます。
そろそろ日が傾き、澄んだ大気を、夕方の光が満たしていきます。
sunlight28/03/17
ホテル敷地内にいるだけですが、澄んだ空と静けさをたっぷり味わい、
心が穏やかになっていきます。

バリ島サカ暦は太陰太陽暦なので、月ごとの季節感は、毎年大体同じになります。
師匠も「なんとかの月は雨が多い」とか「なんとかの月は強風が吹く」
とかよく口にしています。
ニュピのある第十番目の月Sasih Kadasaは、ちょうど雨季が終わりかけの頃で、
”稲の収穫に良い時期”とされます。
バリ島の稲作は、今でこそ2〜3期作が主ですが、1970年代に品種が変わる前は、
年1度、雨季に稲作を行う地域が多かったそうです。
とすると、昔はちょうど雨季の終わり、ニュピの前後に稲が実り、
刈り取る収穫の時期ということになります。
その時期に大がかりな悪霊払いの儀式をして、新しく一年を始めるとすることは、
個人的に推測すると、どうも稲作と関係が深いように思えます。
バリ島の寺院祭礼オダランも、古い寺院の場合はサカ暦でするところが多いです。
バリヒンドゥーの総本山ブサキ寺院及び、ブサキ寺院と関連の深いバトゥール寺院は、
サカ暦でニュピ後の満月が毎年オダランにあたります。
昔ならこれも稲の収穫時期に当たるわけで、、ひょっとすると日本の11月の
”新嘗祭”のような意味があったのかもしれませんね(個人的推測です)。

今では稲作も2〜3期作が多く、季節感は変わってしまっているでしょうが、
雨季のバリ島は、花々が多く緑も深いことに変わりありません。
spider lily28/03/17
足元には、スパイダーリリーの花がパッと開いていました。

見上げると、ジュプン(プルメリア)の花もたっぷり咲いています。
frangipani28/03/17
ジュプンの木、雨季は花だけでなく葉も多く茂ります。

ニュピの日は、労働や外出だけでなく火の使用もできないので、
仕事に行かないし、家にいても料理や家事はできないということになります。
師匠も、ほとんど年中無休で演奏の仕事をしていますが、ニュピの日だけは
毎年必ず休みになる、家でゆっくり静かに過ごせる、と楽しみにしています。
思えば、家事に忙しい主婦だってこの日は何も”できない”ので、
何もしなくていい、家によっては話さえしなくていい、ということです。
ある意味、誰にも気兼ねせず体も心も休められると思います。
日本でも昔はお正月や小正月など、女性が家事をしない風習もあったと思います。
宗教的な意味も大切ですが、実際には体を休められる、というのも
神様の粋な計らいかもしれませんね。

私も、何かできないのでゆっくりできる、そして静けさを味わえる、
このニュピの日は大好きです。

明日もこの日の続きを書きます。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。
Sampai jumpa besok(また明日)!

 ※ニュピについては、次のサイトを参考にしています。
  「バリ島ナビ」より「ニュピ〜サカ暦の新年」
  「バリ島旅行.com」より「バリ島のお正月ニュピ」 
  「ウブド・バリ アパ?情報センター バリ島見聞録」より「ニュピ」
   
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ニュピの日・夕陽を浴びる花々<2017年3月>

hibiscus28/03/17
こんにちは。今年3月のバリ島滞在、3月28日の続きです。
この日はバリ暦で”ニュピ”の日、観光客もホテル敷地外に出られないので、
私も昼間は部屋でのんびり過ごし、夕方また敷地内を散歩しました。
夕陽を浴びて、花々も朝とはまた違った感じに見えます。
ハイビスカスも、花だけでなく葉や茎の輪郭も、光でくっきりしています。

ココヤシの葉をバックに、オオゴチョウの花も鮮やかです。
peacock flower28/03/17
花びらの形、長い雄しべ、小さな蕾もよく目立ちます。

ヤマドリヤシがまとまって植わった一角で、上を見上げるのも好きです。
yamadoriyasi28/03/17
ココヤシより小ぶりでしなった葉が重なり合うと、とても風情があるのです。
葉ずれの音も、さわさわ、という感じで優しい感じです。

背の高いパンノキの、独特な形の葉が夕空にシルエットで目立ちます。
pannoki28/03/17
パンンキはクワ科の常緑高木で、特徴的な葉の形で、そうとわかりやすいです。
パンノキには、有核種つまり実の中に大きな種があるタネパンノキ(Breadnut)と
無核種つまり種なしのタネナシパンノキ(Breadfruit)とがあります。
どちらも緑色の大きな丸い実ですが、タネパンノキは実の表面がボツボツしていて、
ジャックフルーツに似た感じです。
タネナシパンノキは表面がつるっとしています。
この時は実はついてなかったけど、前に見た時はボツボツの方の実だったので、
この木はタネパンノキの方です。

タネパンノキはバリでTimbulと呼ばれ、ナンカ(ジャックフルーツ)の若実と同様、
スープや煮込みに使い、私も師匠宅で一度そのスープを食しました。
(食べた時の記事はこちら→「ある日のお昼ご飯とレッスン」
師匠と奥様の話では、ティンブルTimbulの方が実が小さいので、
時に巨大になるナンカの実より調理がしやすくていいのだそうです。
スープにすると、味がよくしみて美味しいです。

一方タネナシパンノキの実は、Wikipediaによればでんぷんが豊富で、
蒸し焼や丸焼き、あるいは薄切りで焼くなどして食べるのだそうです。
甘くないサツマイモのような感じらしいです。
また図鑑で調べると、タネナシパンノキのバリ名はSukunとありましたが、
私は食べたことがなく、バリでどう料理に使うのかは不明です。
ちなみに、南の島のお話で”パンノキ”と言って出てくるのは、どうやら焼いて食べる方の
タネナシパンノキでは、という気がします。
(私は子供の頃読んだ”ピッピ南の島へ”という本にも出てきた記憶があります)

明日も、夕方の散歩の続きを書きます。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。
Sampai jumpa besok(また明日)!

 ※植物については、Wikipediaの他、次の本を参考にしています。
   「Fruits of Bali」Fred and Margaret Eiseman著 Periplus Editions
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ニュピの朝・ガーデンの花々②<2017年3月>

sikunsi28/03/17
こんにちは。今年3月のバリ島滞在、3月28日朝の続きです。
島中誰も外出できない静かなニュピの日、ホテル敷地内を散歩していると、
インドシクンシの花が咲いていました。
この花は、咲き始めは白で、次第にピンクから赤色に変化するのだそうです。
以前見たときは、全部赤色になった後の花だけだったので、
白っぽい色も混ざった花房を今回見られて嬉しかったです。
ここにあったのはまだ低木の状態ですが、シクンシはしだいにつる状になる木で、
以前泊まったホテルでは棚に仕立ててありました。

通路に沿って、カラーが植わっているところがありました。
爽やかな白のの部分は”仏炎苞”で、中心の黄色い穂状の部分が
本当の花ということになります。
この形の花は、サトイモ科の多くの植物で共通しています。
calla28/03/17
そういえばカラーって、和名は何だろう?と調べてみたら、
”オランダカイウ(オランダ海芋)”とありました。
日本にも江戸時代に渡来したそうで、”海芋=海外の芋”という意らしく、
当時国交のあったオランダから伝わったのが和名の由来だそうです。
俳句でも”海芋”は夏の季語になっているとありました。
そういえば日本で咲くのは夏ですね。
園芸品種が多く、葉の形もバリエーションがあります。

クロトン(ヘンヨウボク)も種類が多く、葉の色や形も様々です。
henyouboku28/03/17
バリのガーデンでは、鉢植え、地植えで何種類も植わっていることが多いです。

モンステラの葉も見事です。
特徴的な葉、モンステラの中でも代表的な品種”デリシオサ”だと思います。
leaf28/03/17
これもサトイモ科で、カラー(オランダカイウ)と同じ造りの花をつけますが、
こちらはホウライショウ(蓬莱蕉)、デンシンラン(電信蘭)の名もあるそうです。

午前9時半を過ぎ、日差しも強くなってきました。
sky1-28/03/17
空はますます青く、時折白い雲が流れていきます。

ヤナギバルイラソウの花は、紫色が涼しげです。
yanagibaruirasou28/03/17
この花は一日花で、夕方にはもう閉じてしまい、やがて落ちます。
でも毎日咲いているので、次々と花開いていくのでしょうね。
一見草の花に見えますが、キツネノマゴ科の低木です。
ここはやや高めに揃えてありますが、低く仕立てたのもよく見かけます。

さすがに暑くなって、一旦涼しい部屋に戻りました。
昼間はのんびりして、夕方涼しくなる頃に、またガーデンを散歩しました。
明日は夕方に見た花々のことを書きます。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。
Sampai jumpa besok(また明日)!

 ※植物については、次のサイトを参考にしています。
   「おきなわ 緑と花のひろば」より「インドシクンシ」
   「みんなの花図鑑」より「オランダカイウ(カラー)」
   「ヤサシイエンゲイ」より「モンステラとは」
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ニュピの朝・ガーデンの花々①<2017年3月>

bougainvillea28/03/17
こんにちは。今年3月のバリ島滞在、3月28日の続きです。
バリ暦のお正月”ニュピ”のこの日、ホテル敷地の外には出られないので、
朝食後、花々をゆっくり眺めながら、敷地内を散歩しました。
ブーゲンビレアの枝が伸び、よく晴れて澄んだ青空に、ピンクの花が映えます。
右下の方に見えるのはテイキンザクラで、こちらもたくさん咲いています。

テイキンザクラの花は、ピンクというより赤に近い色です。
teikinzakura28/03/17
テイキンは”提琴”つまりバイオリンのことで、葉の形が提琴に似て、
花が咲く風情が桜に似る、ということでこの和名だそうです。
桜とは違う仲間で、トウダイグサ科の常緑低木です。
バリ島では、ホテルのガーデンや遊歩道沿いで植えられているのを見かけます。
寒さに弱い木ですが、日本でも沖縄では育つようで、
私も沖縄・西表島で散歩中、民家の庭で見かけています。

足元には、少し朱色がかった赤い花が咲いていました。
aloe28/03/17
たぶん、アロエの一種の花だろうと思います。

最近植えたらしき低木に、白い花が咲いていました。
lime2-28/03/17
この花、見るからに柑橘系ですよね。
たぶん、ジュルッ・ニピスJeruk nipis(ライムの一種)だろうと思います。
葉の感じで、最初は沖縄でよく見るゲッキツかな、と思ったのですが、
実もついていて、その感じがゲッキツとは違うようでした。

別の枝に、ちっちゃな実がいくつかついています。
lime1-28/03/17
ジュルッ・ニピスといえば、切って朝食のフルーツの上にのっていた、
あの柑橘です。
見た目は沖縄のシークァーサー(ヒラミレモン)の実にも似ているけど、
同じミカン科でも、種類は違うようです。
Jeruk nipisをインドネシア語のWikipediaで検索すると、学名はCitrus aurantifoliaと出ます。
しかしその学名で日本語で検索すると、メキシカンライムというのが出てきます。
つまりこの学名はライムの一種を指しているけど、その中でいくつか種類があるようで、
そのうちの一つがバリ島でよく見るJeruk nipisなんだと思います。
なお、Jeruk nipisの和名を”コブミカン”と書いているものもあるのですが、
コブミカンは文字どおり実の表面がもっとゴツゴツしてるので、違う種類ではと思います。
つまりミカン科のライムっぽいもの、いろいろ種類があって、混同されてるみたいです。
私もはっきりした違いがわからないのですが、見た目と、何と言ってもバリでホテルの庭に植えてるので、
一番ありそうなのがJeruk nipisだなと思い、そういうことにしちゃいました。もし違ってたらごめんなさい!


普段通りすがりに少し見るだけのガーデンの花々も、
ゆっくり見ながら歩くと、楽しいものでした。
明日もこの続きを書きます。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。
Sampai jumpa besok(また明日)!

 ※植物については、Wikipediaの他、次のサイトを参考にしています。
   「おきなわ 緑と花のひろば」より「テイキンザクラ」
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晴れたニュピの朝<2017年3月>

breakfast28/03/17
こんにちは。今年3月のバリ島滞在のことを書いています。
3月28日、バリ島で静寂の日とされる”ニュピNyepi”の朝、
散歩にも出かけられないので、ゆっくりと朝食を食べました。
みずみずしいフルーツの盛り合わせは、それだけでご馳走です。
鮮やかなピンク色はドラゴンフルーツ、甘くてとても美味しいけど、
うっかり服にシミをつけないよう、気をつけて食べます。
オレンジ色はパパイヤ、赤はスイカ、黄色はパイナップルです。
ライムのような柑橘ジュルッ・ニピスJeruk Nipisをちょっと絞ると、
フルーツの甘さが引き立ちます。

ニュピの日は、バリでは本来断食と瞑想をして過ごす日とされ、
私も断食してみたことがあったのですが、今回は普通に食べました。
断食してみた時は、さすがに水は飲みましたが、師匠の話では、
朝6時から翌朝6時まで24時間、水も飲まないのが正しいやり方だそうです。
バリ人も、厳格に断食する人もいますが、普通に食べる人も多いようです。

ニュピは、バリ島サカ暦で十番目の月Sasih Kadasaの最初の日で、
サカ暦新年とされる日ですが、西暦の日付では毎年少しずれています。
私たちも、毎回ニュピに合わせての滞在はできないのですが、
今年は予定した日程にちょうどニュピが当たりました。
バリ島でニュピの日を迎えるのは、これで4回目です。

ニュピについてはまた後日詳しく書きますが、この日は観光客であっても
宿泊施設の敷地内から一切外に出られません。
いつもの遊歩道の散歩も当然できないので、朝食を食べた後、
敷地内をぶらぶら散歩しました。
朝からよく晴れて、すっきりの青空です。
morning sky1-28/03/17
太陽の光を浴びて、ココヤシの葉がキラキラ輝いています。

シマオオタニワタリの葉も、光に透けて美しく見えます。
birds nest fern28/03/17
着生シダの一種なので、こうして鉢植えにする他、
木の幹につけて育てているのもよく見かけます。

日陰では、花々がしっとりと咲いています。
walking iris28/03/17
黄色で中心部に斑があるこの花はアヤメ科のネオマリカ・ロンギフォリア、
英名のウォーキング・アイリスの方が言いやすいかもしれませんね。

サンユウカの花は、いつ見てもふんわりと優しげです。
sanyuuka28/03/17
サンユウカはキョウチクトウ科で、風車みたいな花がたくさん咲いているのも
可愛い眺めです。

空を仰ぐとシュッとすじを描く雲が見え、テリハボクの梢から
木漏れ日がさしこみます。
morning sky2-28/03/17
いつにも増して澄み渡った青空、これは気のせいではなく、
本当にニュピの日は空気が澄んでいるのです。
島中の誰もが外出しない、つまり車もバイクも通りを走っていないので、
排気ガスが全くないからです。
空港も閉鎖し、飛行機の離発着もないため、空も静かです。

穏やかなニュピの朝、明日もこの続きを書きます。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。
Sampai jumpa besok(また明日)!
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マジャMajaの実と花<2017年3月>

maja2-27/03/17
こんにちは。今年3月のバリ島滞在、3月27日の続きです。
この日、四ツ辻での儀礼を見に行く途中、目抜き通り沿いの店の前に
マジャMajaの大きな実がなっているのを見つけました。
ミカン科の柑橘で、”マジャ”はインドネシア及びマレーシア名、和名はベルノキです。
原産地のインド名はサンスクリット語由来のBaelまたはBelで、
そこから英名はバエルフルーツBael fruitとなっています。
自生種はインドの他、マレー半島やフィリピンのルソン島、
インドネシアのジャワ島にも分布すると図鑑にはあります。
ヒンドゥー教と関わりの深い木で、バリ島ではあちこちで植えたものを見かけます。
(インドではシワ神に捧げる木として寺院に植え、葉を宗教儀式に使うそうです)
また仏典にも記載がある木なので、タイでも寺院によく植えるそうです。
(タイ名はマトゥームで、ブッダが托鉢の帰路この木の下で休んだとされます)
栽培種は自生種より実が大きく、この実もグレープフルーツより大きいくらいです。

師匠やホテルスタッフなどバリ人に聞くと実は「苦いから食べない」と言いますが、
熟したものは、一応食べられるようです。
タイではジュースやシャーベットにし、”適度な酸味と良い香りがある”とありました。
原産地インドでは果肉をスライスして干したものが一般的で、市場でも売られ、
煎じて薬にしたり、お茶にしたりするそうです。

枝先には、花も咲いていました。
maja3-27/03/17
花は薄緑色で、長さ4〜5cmほどあります。
高いところに咲いていて確認できなかったけど、とても良い香りがあり、
蒸留して香水の原料にもなるそうです。

ツヤツヤの実は何だか可愛いし、花の香りも楽しめる上、程よい日陰を作ってくれ、
店先に植えるにももってこいなのでしょう。
maja1-27/03/17
以前ホテルのガーデンで見たのも3月なので、この時期に実がなるようです。

さて、バリ島の伝統文化は、ジャワ島マジャパヒト王国の文化が礎にあります。
Wikipediaによると、バリ島は4世紀頃からジャワ島の王国の支配下にありましたが、
10世紀には独自のワルマデワ王国となりました。
ワルマデワ王国は400年ほど続くも、14世紀にジャワのマジャパヒト王国の侵攻を受け、
支配下に入ります。
ところが16世紀、ジャワ島へのイスラム勢力の侵入によりマジャパヒト王国は衰亡し、
王国の重臣や僧侶、芸術家や工芸師らがバリ島に逃れてきます。
マジャパヒト王国から亡命した人々により、古典文学、影絵芝居、音楽や彫刻など
今につながるバリの文化が花開いたと言われます。
イスラム勢力に追われたマジャパヒトの人々が、という話は師匠がよくするのですが、
まるでつい昨日のことのように語り、とても身近に感じる出来事みたいです。

マジャパヒト王国の名は、当時都が置かれたのがジャワ東部のマジャパヒト村なので
そこから来ているようです。
Majapahitの”pahit”は苦いという意味なので、”苦いマジャ”という意味になります。
つまり首都となった村の名は、そもそもこの木Majaに由来しているのでしょう。
また、以前記事に書いた時lotusyaさん(lotusyaさんのブログ→「バリ島グンデルワヤン徒然日記」に頂いたコメントでは、こんな興味深い話が書かれていました。
『ジャワの親戚から、マジャパヒット王朝がバリに攻め入ろうとした時、
 バリの人たちは反感を込めてこの実を王に送ったという話を聞きました。
 なので、「Majapahit」をもじって「Rajapahit」(苦い王様)とも呼ぶそうです。』

さて、この日四ツ辻での儀式を見た後、飲食店はほとんど閉まっているので、
コンビニでカップ麺を買って帰り、部屋で食べて夕食にしました。
いつもは安い”POP MIE”を買うけど、この日はちょっと高い”CUP NOODLE”です。
cup noodle27/03/17
在住の方が食べて見て美味しかった!という記事を読み、興味があったのです。
上にスパイス袋が付いてて見づらいけど、シーフードヌードルです。
そう、れっきとした日清インドネシアのカップヌードルです。
スパイスを入れると激辛になるらしいので、私は入れずに食べてみました。
POP MIEより優しく食べやすい味で、さすが日清、美味しかったです。
夫は激辛でも大丈夫なので、私のスパイスもあげましたが、
辛くしてもまた美味しいみたいです。
もちろんビンタンビールも買って、一緒に飲みました。
伝統的な濃い儀式を四ツ辻でたっぷり見た後だったので、
現代的に俗っぽくカップ麺にビール、というのがまたいい感じでした。
しかもインドネシア製とはいえ日清で、味は日本のに近いから、
少しほっとしたりもしたのでした。
そういえば日本でも、精進落としやお清めと言ってお酒を飲んだりするし、
聖と俗のバランスを取るのも、大事かもしれませんね。

明日は翌朝のことを書きます。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。
Sampai jumpa besok(また明日)!

 ※植物については、次の本とサイトを参考にしています。
   本:「TROPICAL FRUIT」Desmond Tate著 Didier Millet
     「熱帯くだもの図鑑」海洋博記念公園管理財団
   サイト:「タイの植物チェンマイより」より「ベルノキ」
 ※以前マジャについて書いた過去記事はこちら→「大きな実」
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タウール・クサンゴ儀礼⑥儀式の終わり<2017年3月>

taur kesanga20-27/03/17
こんにちは。今年3月のバリ島滞在、3月27日の続きです。
四ツ辻でのタウール・クサンゴ儀礼は、奉納舞の途中から、踊り手や参列者の
何人もがクラウハン(トランス)に入り、終盤を迎えました。
午後6時40分頃、まだ胸にクリス(儀礼用短剣)を突き立てる男性がいて、
マンクー(僧侶)が聖水をかけて清めています。

クラウハンからまだ覚めやらず、ぐったりしたままの人もいる中、
儀式自体は終いのようで、座っていた参列者も立ち上がり始めました。
taur kesanga22-27/03/17
ガムラン隊も、煽るような激しい音から変わって、一定のリズムを刻み始めます。

まず男性に掲げられたご神体のランダの面が、辻を横切り移動していきます。
taur kesanga21-27/03/17
黒いシャツはプチャラン(自警団)の人たちで、前に立って通り道を作っていきます。

皆立ち上がり、トゥドゥン(儀礼用傘)を差しかけられたランダの面が
通っていくのを見守っています。
taur kesanga23-27/03/17
日は暮れて、空には夕闇が迫ってきています。

マンクーや踊っていた女性たちに続き、みな移動する時間のようでした。
taur kesanga24-27/03/17
正装の男性たちは頭にウドゥン(儀礼用鉢巻)を巻いていますが、
その後ろに差し込んだ花もきれいです。
男性も、お祈りの時手指に挟んで使った花を、耳元やウドゥンなどに
こうして差し込みます。
花を通して神様と繋がる意味があると聞いたことがありますが、
女性同様、おしゃれの一つでもあるようです。

参列者一同はみな、大きなブリンギンの木がある寺院境内に入っていきました。
ここでしばらく休憩タイム、みたいな感じになり、参列者も一旦家に戻ったり、
近くのワルンで一服しておしゃべりしたりします。
四ツ辻にはいっとき、オゴオゴだけが取り残されたような感じになります。
taur kesanga19-27/03/18
小1時間ほどすると、またみんな集まってきて、オゴオゴ行列が始まります。
2年前は、オゴオゴ行列まで見たくてずっと近くで待っていたのですが、
待ち時間というのも案外くたびれます。
今回も、このオゴオゴが練り歩くところを見たい気持ちもあったけど、
儀式の前から1時間ほど立ち見していたので、既にかなりくたくたです。
一旦休憩しようと戻る間、もう儀式を見たからいいか〜という気分になり、
そのままホテルに戻り、オゴオゴ行列は見ませんでした。

さて、ニュピ前日の夜は四ツ辻でのタウール・クサンゴ儀礼の他に、
バリの人々は各家でもお清めの儀式をします。
私は各家での儀式は見たことがないのですが、次のようなものだそうです。
ニュピのために門前に立てる特別の祭壇や地面などにお供えをして、
火(松明)を持って、家寺の祠、家中の建物を清めて周ります。
その時、子供たち中心に、鍋釜や竹竿、楽器、缶など音の出るものを何でも持ち、
激しく打ち鳴らしながら一緒に周ります。
激しい音で悪霊を驚かせて追い散らし、神聖なる火で全てのものを浄化する、
ということだそうです。
音をガンガン打ち鳴らすこの風習は、子供には楽しいものでしょうね。
音を鳴らして周る儀式は”オゴオゴ”よりずっと古くからあるものです。
あちこちで村のクルクル(伝令用の木鐘)も激しく鳴らされ、通りでは爆竹も破裂し、
松明と音を鳴らす騒々しい行列は町中を練り歩くと、1930年代の本に書かれています。
この時、顔や体を塗りたくっている人もいたそうで、そんなところから、
誰かがオゴオゴを思いついたのかもしれませんね。
(オゴオゴは1980年代から始まったそうで、今でも行わない地域もあります)

タウール・クサンゴについていろいろ調べ、興味深いことを知りました。
タウールという言葉は”支払い、返却”を意味するのだそうです。
人間は自然の恵みで生かされ、自然の要素を使い、吸い取って生きています。
その恵みの一部を供物として”お返し”することで、バランスが取れるのです。
そして、悪霊が本来の姿である神々へと転じるよう祈る儀式を通して、
共に調和しようとする人間を邪魔しないようになると考えるそうです。
その儀式をニュピ前日、つまりサカ暦で九番目の月Sasih Kesangaの最終日に行うのが
”タウール・クサンゴTaur Kesanga”だとのことです。

今年は、実はオゴオゴよりもこの四ツ辻の儀式の部分をきちんと見たかったので、
私としては十分満足でした。
この日は夕方前に、飲食店などはほとんど閉まってしまいます。
私たちは帰り道、コンビニに寄って夕食用のカップ麺などを買いました。

明日は、この日通りで見かけた花のことなどを書きます。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。
Sampai jumpa besok(また明日)!

 ※儀式については、ホテルでもらった案内の他、次の本やサイトを参考にしています。
   本:「バリ島」ミゲル・コバルビアス著 関本紀美子訳 平凡社
   サイト:「バリ島ナビ」より「ニュピ〜サカ暦の新年〜」
       「ハウズバリ バリ島生活情報誌」より「デンパサール市のオゴオゴ」
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タウール・クサンゴ儀礼⑤クラウハンKerauhan<2017年3月>

taur kesanga12-27/03/17
こんにちは。今年3月のバリ島滞在、3月27日の続きです。
四ツ辻で行われたニュピ前日のタウール・クサンゴ儀礼、
午後6時半を過ぎると、西の空が夕焼けに染まってきました。
あかあかとした空を背景に、ご神体のランダの面が儀礼を見守っています。

女性たちの奉納舞のさなか、クラウハン(トランス)に入る人が次々と現れ、
マンクー(僧侶)たちは抱えて支えたり、聖水をかけたりと大忙しです。
taur kesanga13-27/03/17
バリの儀礼では、クラウハン(トランス)が重要な核心となることも多いようです。
クラウハンKerauhanはインドネシア語にすると”Datang(来る)"という意味で、
何か見えない存在が”来た”つまり憑依した状態をさします。

憑依するのは精霊だったり悪霊だったり、色々な場合があるようです。
また、その憑依の形もいろいろで、特にそれを目的とした儀礼の場合、
マンクーや少女など予め選ばれた人が、用意周到に準備することもあります。
私が今まで実際に見た事があるのは、特に予め決まった人というのでなく、
儀式中突然暴れ出したり、踊り出したり、体を硬直させたりするものでした。
中には獣のように四つん這いに歩いたり、女性の場合は突然叫んだり、
倒れても手だけ踊り続けたり、すすり泣いたりというのもありました。

この時は、踊っていた女性の数人が、よろめいた感じになり、
目を閉じて踊り続け、倒れそうになってマンクーに支えられました。
誰かがクラウハンに入ると、周囲の人々は注意深く見守り、
倒れたり飛びかかってきたりしない限り手出しはしません。
周りで控えている何人ものマンクーが、様子を見て支えたり押さえたりして、
適当なタイミングで聖水をかけ、正気に戻らせます。

聖水をかけてもすぐ正気に戻る人と、なかなか戻らない人がいます。
taur kesanga15-27/03/17
男性はうわーっと暴れ出す人も多く、ちょっと騒然とした感じになってきました。

この事態は地元の人には当たり前でも、初めて見る観光客にはびっくりです。
taur kesanga16-27/03/17
私も本などで知ってはいたものの、初めて見た時はびっくりでドキドキしました。
自警団の人たちも暴れる男性のそばに出てきて、混乱しないよう備えています。
言い換えれば驚いた見物客が過剰反応して、儀式を乱されても困るのだと思います。

後で思えば、四ツ辻を囲んで参列者が座り、見物客と混ざらないようにしたのも、
混乱を避けるためだったかもしれません。
taur kesanga17-27/03/17
男性がクラウハンに入ると、適当なタイミングでその人にクリス(短剣)が渡されます。

渡された男性は、クリスの先を胸に突き立てるのです。
taur kesanga18-27/03/17
女性の陰にいる男性が、歯を食いしばってクリスを突き立てています。
先は結構尖っているので痛いはずで、時に怪我することもあるそうですが、
クラウハンに入ると筋肉が硬直するため、その時は痛みを感じないのだそうです。
男性が胸にクリスを突き立てる場面は、観光用のバロンダンスでも演じられるので、
見た事がある方も多いのではと思います。
(観光用のものは、演技だろうとは思いますが・・・たぶん。
 ただ、昨年PKBの舞台でもクラウハンがあったそうなので、なんとも言えませんね。
 →昨年のPKBでの様子、ご興味のある方はシロブチさんの記事にて!)


ガムランも急激に音が大きくなり、クラウハンを煽るかのように
速く激しいリズムを打ち鳴らします。
この儀式でのガムランは”バラガンジュール”で、行列などでよく演奏される形態です。
”バラ”とは”地下に棲む精霊たち”、”ガンジュール”とは”賑やかに囃したてる”
という意味です。
もともと、地上で賑やかな音を立てて地下の精霊、悪霊たちを呼び出し、
供物を捧げるためのガムランなのです。
※バラガンジュールbalaganjurはブボナンガンbebonanganとも呼ばれます。
ボナン属のドラ(音階順に調律された数個のコブ付きドラ)で、五音ペログによる旋律的なパターンを演奏し、
2台のクンダン(太鼓)とチェン・チェン・コピヤック(手持ちの小型シンバル)などが加わります。
バラガンジュールは悪霊祓いに関する儀式や火葬儀礼の行列などに欠かせませんが、
イベントのパレードなどでもよく演奏されます。
ただし、神々が降臨するための儀式には使えないのだそうです。


儀式でのクラウハンは突然、どのタイミングで起き始めるかわかりません。
クラウハンが始まると、ガムランは急速に激しくなりますが、
そろそろ正気に戻る、という時には、次第にテンポも音量も下げていきます。
以前オダランでクラウハンを見た時は、ガムランはゴン・クビャールという編成で、
楽器の種類も多く複雑な曲ですが、演奏の変化のしかたは同じでした。
テンポや音量の変化のタイミングは、リーダーを中心に奏者もわかっているようですが、
マンクーが直接ガムラン隊に指示を出すこともあると、以前師匠が話していました。

このクラウハンは、見えない世界が見えない人にも、その存在をはっきり感じられる、
とても重要なものなんだろうなと、私は感じます。(個人的感想です。)
普通にしていた人が突然暴れ出したり、叫んだり硬直したりすると、
周りの人は、あ、何かここに来てる、この人に入った、と感じます。
悪霊などはいてほしくない存在かもしれないけど、ただ否定し追い払うのでなく、
そうだね、見えないけどいるんだねと認めることで、なだめるのかもしれません。
タウール・クサンゴも悪霊払いの儀式だけれど、まず供物や音楽、奉納舞などを通して
お出まし願い、居合わせた皆でその存在を確認することが大事なのでしょう。
それから聖水をかけてご退散願う、あるいは祈りやマントラを通して、
その強烈なパワーを良い方へと転じさせるのが儀式の流れなのかなと思います。

ところで、クラウハンが始まると、奉納の舞踊や劇など途中でも中断してしまいます。
時にクライマックスシーンなしで終わることもあり、あんなに練習してたのに、
あの場面やらないで終わっちゃうの?なんてこともあります。
(以前師匠のバンジャールで、オダランで奉納する舞踊劇の練習を見たことがあったのですが、
 終盤の迫力シーンの本番を楽しみにしてたら、当日はそこに入る前に、バタバタッとクラウハンになり、
 終わってしまってちょっと残念、なんてこともありました。)


クラウハン、一時期バリ人もやはり今時これは・・・という風潮になりかけたらしく、
あまり観光客に見せたくない、ということもあったようです。
でも最近はまた変化して、バリらしい儀式の核心として誇りにしているそうです。
私も今回見ていて、儀式の中でクラウハンも滞りなく行えるよう、
細心の注意を払っているように感じました。
まず、儀式の始まりとともに、まるで結界を張るかのように辻を囲んで皆が座り、
見物客が混ざらないよう、場所を区切っていました。
そして、クラウハンに入った男性がクリスを突き立てると、
座っている参列の男性たちが、拍手を送っていました。
よーし!という感じの拍手や声援が送られ、これが儀式なんだ!ということを
明確に示している感じでした。

バリの祭礼や儀礼は、大勢参加して賑わった方が良いとされることも多く、
外国人や観光客も、快く見させてもらえる機会が多いと思います。
ただ、儀式の邪魔をされては困るわけで、特に観光地では問題も多いのでしょう。
今年はホテルでもらった案内でも、儀式について詳しく書かれていたり、
儀式の場でも、見物客が邪魔しないよう考えて工夫している気がしました。
観光客を大切にしながらも、自分たちの文化はきちんと守っていく、
そんな気概も感じました。

明日もこの続きを書きます。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。
Sampai jumpa besok(また明日)!

 ※儀式、クラウハン、ガムランについては、次の本とサイトを参考にしています。
   本:「神々の島バリ」(春秋社)より
       「儀礼としてのサンギャン」(嘉原優子)「ガムランの体系」(皆川厚一)
     「バリ島 -Island of Gods-」賈 鍾壽(Ka Jongsoo)著 大学教育出版
   サイト:論文「加えられたグンデル・ワヤンーバリ島の正月ニュピをめぐる新習慣と村の音の十年」
                        (伏木香織)
             
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プロフィール

里花

Author:里花
花々と緑あふれる大好きなバリ島に、17年ほど前から通い続けています。
神々への感謝と祈りとして芸能を捧げるこの島で、ここ数年の滞在中は伝統音楽ガムランの楽器グンデル・ワヤン(上写真)を習っています。
現在東京在住ですが、近いうちバリ島に住むつもりでいます。

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