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ニュピ、静寂の日<2017年3月>

pagi1-28/03/17
静寂の日”ニュピ”を迎えたバリ島から、こんにちは。
今朝は6時前後に激しいスコールがあり、そのあと嘘のように晴れています。
毎年ニュピの日は晴れになるようで、私も今回で4回目ですが、
やっぱり!晴れて嬉しくなっています。
青空、きらきらの緑、筋を書いたような雲、何もかもが美しく、
そして静寂に包まれています。

”ニュピ”はバリ島サカ暦で第10番目の月の第一日目に当たる日で、
バリのお正月とも言われる日です。
サカ暦はバリ島で古くから使われている太陰太陽暦なので、
ニュピは大体3月から4月初めですが、毎年西洋暦での日付は変わります。
そして今年は今日、3月28日がニュピというわけです。
この日はバリヒンドゥーの人だけでなく、観光客も含め島内にいるすべての人が
家(観光客はホテル)の敷地から一切出ることができません。
通りもビーチも人っ子一人いず、車もバイクもなく、ほんの時折、
決まりを破り外に出る人がいないかチェックする自警団の車が通るだけです。
もちろん空港も1日閉鎖、飛行機の離発着もありません。
本来は灯火も使わず、家で断食と瞑想をして過ごす日とされますが、
ホテルは営業が許されており、そのため当日シフトのスタッフは働いています。
(スタッフは今日1日ホテル外に出られないため、泊まり込みです)
とはいえホテルも、夜の灯火など抑え、極力静かに営業しています。

車も走らず、官公庁も会社も学校もすべて休みなので、本当に静かです。
聞こえるのは鳥の声、波音、木々の葉がそよく音です。
pagi2-28/03/17
私も今日の散歩はホテル敷地内だけです。
ブーゲンビレアの花が、青空に向かって美しく咲いています。
下の方に見え赤い花は、テイキンザクラです。
空もいつもより一段と澄み、空気も美味しいように感じます。

足元では、ヤナギバルイラソウの花も輝いていました。
pagi3-28/03/17
さて、ニュピに外出せずひっそり過ごすのは、言い伝えでは
悪霊や魑魅魍魎に見つからないためです。
冥界の神マヤ神が大掃除をするので、悪霊たちも追い出され、
人間にいたずらしてやろうと地上に出てくるんだそうです。
そこで、人間たちは一日気配を潜めてひっそり過ごし、悪霊たちに
「なんだ、ここには誰もいない」と思い込ませます。
いたずらをする相手がいないので、悪霊たちは諦めて去っていく。
そんな話だと記憶しています。
(細部など違いがあるかもしれませんが、今記憶に頼って書いているので
間違いがありましたらお許しください)
ホテルスタッフの話では、お祈りしたあとは家族とも口を聞かず、
寝たり読書したりして、本当に静かに過ごすのだと言います。
そこまで厳格にする家と、そうでない家があるようですが、
数年前から、この日は島内のテレビ放送もストップしています。

ニュピとその前後の行事についてはまた後日記事にしたいと思いますが、
昨日夕方はニュピ前日に行われるNgrupukという儀式を見学に行きました。
簡単に言えば、悪霊の力を鎮めるというものですが、
各町の四ツ辻や広場などで、僧侶を中心に行われます。
sore27/03/17
午後6時頃から始まり、儀式半ばほどで、西の空が真っ赤に染まり、
素晴らしい夕焼け空となりました。
昼と夜の境界の時刻です。
この後、暗くなってからオゴオゴという山車の行列があるのですが、
そこまで見るにはかなり長く待つので、私たちは儀式だけ見て帰りました。
しかし、昨日も午前中はかなり雨が降っていたのに、夕方の儀式の時は降らず、
そして今日も朝だけスコールで、今は素晴らしい晴天です。
これはもう、偶然とは思えない気がしています。
(特に昨日は、きっと雨止めをしてただろうな、なんて思いました)

バリではニュピを境に、雨季から乾季へと変わると言われます。
日本の行事もそうですが、季節の境目に行われる行事には、
もともと農事に深く関わる意味があったんだろうと思います。
バリ島のサカ暦も、日本の旧暦のような太陰太陽暦なので、
サカ暦に基づく大きな行事は、農事の節目でもあったのではと思います。
バリ島で、今はお米も2期作、3期作が一般的ですが、
それは1970年代の”緑の革命”で稲の栽培品種が変わってからだそうです。
それまでバリ島古来の品種だった時は雨季の間に栽培し、
年1回(乾季も水に恵まれた土地は年2回の場所もあり)の収穫だったそうです。
そうすると、雨季から乾季への変わり目は、ちょうど収穫の前後になるはずです。
ニュピももともとは、収穫に関連した意味があったのかも、なんて思っています。
寺院のオダランなどは、別のウク暦(1年が210日で廻る)に依ることが多いのですが、
古くからある大きな寺院などは、サカ暦で祭礼を行うところもあります。
この辺りのことも、また帰ってから後日詳しく書きたいと思います。

さて、私たちも今日は静かに休養して過ごしています。
もちろんレッスンはないけど、この特別な一日も、
今回の滞在で楽しみにしていたことの一つです。
グンデルやガムランに関わっている時も幸せ、そうでない時も、
バリ島にいるだけで嬉しいと思ってしまう今の私です。

時間もあるのでもっと書きたいけど、なんか今日はWi-Fi回線が時々切れるので、
今のうちにとにかくアップしちゃいます!

今日も読んでいただき、ありがとうございました。
明日も良い一日でありますように!
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プロフィール

里花

Author:里花
花々と緑あふれる大好きなバリ島に、18年ほど前から通い続けています。
神々への感謝と祈りとして芸能を捧げるこの島で、ここ数年の滞在中は伝統音楽ガムランの楽器グンデル・ワヤン(上写真)を習っています。
現在東京在住ですが、近いうちバリ島に住みたいです。

※12/12〜年末まで、国内旅行編です。
 バリ島編は、年末に再開します。

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