サプ・レゲール@依頼者宅③ワヤンその1<2016年12月>

wsl.n.8-30/12/16
こんにちは。12月30日のサプ・レゲール儀礼の続きです。
いっときの静寂ののち、いよいよダランがワヤン人形の箱を開ける。
木箱の蓋を手で3回叩き、中の人形たちに目覚めの時を告げる。
すかさず、グンデルはPemungkahの演奏に入る。
蓋をずらして箱を開けると、助手たちが手伝いながら、人形を覆った布をはずしていく。

再び舞台を聖水で浄め、すべての支度が整うと、ダランはカヨナンを手に持つ。
樹木の形のカヨナンは、森羅万象を象徴する人形で、宇宙樹と言われることもある。
演奏はこのタイミングで、Pemungkahの中のカヨナンのテーマに入る。
ダランが打ち振るカヨナンは、スクリーンいっぱいに、生き物のように動き回る。
そのカヨナンに合わせ、音は時にさざ波のように、時に大波となる。
wsl.n.10-30/12/16
カヨナンが舞うところは、ゾクゾクするほど好きな場面の一つだ。
(でも演奏は難しくて、実は私、速くなると左手が滑ってちゃんと弾けてない。)

やがてダランは、スクリーンの中央にカヨナンを突き立てる。
曲も少しゆったりした次の部分に移り、人形箱からは次々と、
人形たちが出されて、軸棒を立てて並べられていく。
wsl.n.11-30/12/16
カヨナンの後、人形たちが並んでいくこの部分が、私はとても好きだ。
曲調もどこか切ない感じになり、気持ちを古代の世界へと運んでくれる。

人形たちが目覚め、古くから伝わる物語の神々や王、従者など様々な姿で、
生き生きと勢ぞろいし、その息遣いや衣摺れの音さえ感じるように思える。
物語の善側で使われる人形は右側に、悪側の人形は左側に立てられ、
中央には主要な人形のいくつかが立てられる。
wsl.n.12-30/12/16
これだけ多くの人形が並ぶと圧巻だ。
といっても、演目によって使う人形は限られ、全部使うわけではない。
儀式を見守ると言う意味で、使わない人形たちも並べるようだ。
特にサプ・レゲール儀礼の場合は、並べる人形数が多いらしい。

ところで、ワヤン・クリの人形は、牛の皮に細かい彫刻と彩色を施して作られる。
昼間スクリーンを張らずに行うワヤン・ルマの時は、この人形がそのまま見える。
スクリーンを張ると、会場側からは影しか見えないのだけど、
実はふつう、裏側(舞台側)から見てもいいことになっているようだ。
特にワヤン・クリが好きな人は、人形そのものやダランもよく見えるので、
場所にもよるけど、数人は裏側からずっと見ていたりする。

人形が全て並ぶと、曲はPemungkahから次のPegunumanに入る。
続いて曲がTulang LindungからAlas Arumに入ると、ダランの語りが始まる。
ここで再びカヨナンが舞い、演目の物語の始まりとなる。
wsl.n.14-30/12/16
ダランは左右、上下だけでなく、カヨナンを前後にも打ち振って、小刻みに動かす。
カヨナンをスクリーンに近づければ影ははっきりし、逆にランプに近づければ
こんなふうに影はぼんやりし、スクリーンいっぱいに大きく映る。

明日も、このワヤン・クリの続きを書きます。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。
明日も良い一日でありますように!
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プロフィール

里花

Author:里花
花々と緑あふれる大好きなバリ島に、17年ほど前から通い続けています。
神々への感謝と祈りとして芸能を捧げるこの島で、ここ数年の滞在中は伝統音楽ガムランの楽器グンデル・ワヤン(上写真)を習っています。
現在東京在住ですが、近いうちバリ島に住むつもりでいます。

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