ニュピ明けの日の出<2017年3月>

sunrise2-29/03/17
こんにちは。今年3月のバリ島滞在のことを書いています。
素晴らしい星空と静寂の夜が明けた3月29日、午前6時に外出禁止も解かれるので、
朝6時20分頃、私も遊歩道に散歩に出ました。
まだ暗い木陰の向こう、東の空の雲間から、ぱっと明るく光が差してきました。

ニュピ明け初の日の出、いわばサカ暦新年の”初日の出”のようなものです。
sunrise1-29/03/17
バリ島の雨季は、ニュピを境にそろそろ終わると言われます。
実際にはその後も降る年が多いようですが、今回の滞在中は、
本当にニュピ前は雨が多く、ニュピの後は晴れ、という天気でした。

凪いだ海にも初日の出がくっきりと映り、空も少しずつ明るくなっていきます。
sunrise3-29/03/17
浜辺のワルンももう開いていたので、後でまた来ることにして、もう少し歩きます。

突堤や浜辺には、すでに大勢の人が遊びに来ています。
sunrise4-29/03/17
きっとニュピ明けを待ちかねて、朝6時すぐに家を出てきたのでしょう。
ホテルなど泊りがけの仕事が明け、帰る途中の人もいるかもしれません。
この時でまだ6時半なので、既にいるのは割と近くの人と思います。
遠くからの人も続々とこれから来て、もっと人が増えてきそうです。

アグン山も、山頂まで姿が見えています。
初日の出に初アグン山、何だかおめでたい感じのするサカ暦新年です。
sunriser5-29/03/17
サカ暦1939年の新年、元旦はニュピの日ということになりますが、
外出できる翌日が、日の出や山の眺めも楽しめ、晴れやかな気分が盛り上がります。

ニュピ当日は火が使用できないため、各家でも線香を使うお供えは控えるそうです。
そしてニュピ明けのこの日は、”グンバッ・グニ”と呼ばれ、新たに始まる1年の
火(エネルギー)を入れる儀式をしたり、家族が集まったりする日だそうです。
このグンバッ・グニの儀式については詳しくは知らないのですが、そういうものや、
また何かとあって忙しいのでしょう、午前中はまだ閉まっている店も多いです。

”漁師の像”も、静かなニュピの一日、ゆっくり休んだでしょうか。
sunrise6-29/03/17
今日は海もいいし、人ももうこんなに来ているなあ、なんて
また元気にいつもの朝を迎えたのでしょうね。

明日もこの朝の続きを書きます。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。
Sampai jumpa besok(また明日)!

 ※グンバッ・グニについては、次のサイトを参考にしています。
   「バリ島アクセス」より「2017年インドネシア/バリの祝日・祭日・休日」
   「サリツアーズ・バリ旅行専門店」より「インドネシアの祝祭日」
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ニュピの夕方、そして夜<2017年3月>

sunset1-28/03/17
こんにちは。今年3月のバリ島滞在、3月28日ニュピの日の続きです。
静かな一日は暮れかけ、太陽も西の空のはしっこです。
薄雲はあるものの、お天気は夜までもちそうです。

少しずつ色を深める空、木々の葉もひっそりシルエットに変わっていきます。
sunset2-28/03/17
夜になったら、ここに満天の星が輝く!と思うとワクワクしてきます。
この日はバリ島中、灯火の使用も抑えているので、夜空が本当に真っ暗なのです。
(ホテルでも庭のライトはつけないし、部屋もカーテンを閉めてと言われます)
そして新月なので、晴れれば星だけが空に輝くことになります。

泊まっていたホテルでも、レストランは午後8時終了と言われたので、
早めに夕食を食べに行きました。
ビュッフェ形式で、お料理はパクパク食べてしまったので、
デザートの写真だけです。
お腹いっぱいでも、美味しいケーキは別腹ですね。
珍しくアップルシュトゥルーデルがあったので取りました。
オーストリアやドイツのお菓子として知られる、アップルパイのようなものです。
dinner2-28/03/17
これが美味!で、お腹いっぱいだというのに懲りずにお代わりしちゃいました。

バリ島で本来は断食する日というのに・・・私は結局、いつも以上食べています。
食後のカプチーノは、ちゃんと泡のアートがありました。
dinner3-28/03/17
美味しい夕食に感謝して、部屋で少し休んでから、星を見に出ました。

この日、敷地内も夜は暗くしているので、星はどこからでも見えるのですが、
少し開けたところに行くと、すごい星空です。
ココヤシの葉も、星明かりでくっきり黒いシルエットになって見えるほどです。
天の川もよく見えて、あまりの美しさに涙が出そうになります。
辺りが真っ暗な中で空の星だけが輝き、ふと宇宙を漂っているような錯覚に陥ります。
バリ中の灯が消えているだけで、こんなに星があるなんて、とびっくりです。
昔の人は、当たり前にこの星空を見ていたのかな、と思うと羨ましくなります。
この星空が見られただけでも、今回バリに来た甲斐があったね、
と夫がふとつぶやきました。
私も同じことを思っていました。
一年に一度、バリ島にしかないこのニュピの日は、ただ静寂の中にいるだけで、
心が穏やかになっていくようです。
無事に生きていて、今回もまたバリに来てニュピの日を過ごすことができ、
素晴らしい星空を見られて良かったなと、しみじみ思いました。
星々を見上げながら、当たり前のような毎日が本当に愛おしくて、
これからも日々を大切に進んでいこう、と思えたのでした。

明日は翌朝のことを書きます。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。
Sampai jumpa besok(また明日)!
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ニュピの日・前日からのお供え<2017年3月>

sangah cucuk28/03/17
こんにちは。今年3月のバリ島滞在、3月28日夕方の続きです。
ホテル敷地内を散歩していると、サンガー・チュチュSanggah Cukcukがありました。
祭礼や儀礼の時だけ門前に立てる祭壇の一つで、この三角形の屋根のものが
”サンガー・チュチュ”だと師匠に聞きました。
詳しい意味はよくわからないのですが、ムチャル(悪霊、地霊をなだめる儀式)や
火葬関連の儀礼の時などに、この形のものを見かけます。
ニュピ前日に行う儀礼Taur Kesanga(Ngrupuk)もムチャルの一つなので、
このサンガー・チュチュを各家でも立てるのだと思います。
前日に供えた供物が中にぎっしり詰まり、横にも供物用の小さなティパットなどが
たくさんぶら下がっています。

バリ島の特別な日・ニュピについて、記しておきます。
ニュピはバリ島で古くから使われるサカ暦(太陰暦の一つ)で十番目の月、
Sasih Kadasaの初日で、新月の日になります。
西暦での日付は毎年ずれますが、大体3月終わり頃で、今年は3月28日でした。
この前日の暗月の日に、冥界の神ヤマ神が大掃除をするので、ブタ・カラBhuta Kalaが
地界から追い出され、地上に這い出てくるとされます。
※ブタ・カラは悪霊と訳されますが、シワ神の破壊的な一側面とも考えられ、
 災いをもたらす大きな力を持つとされます。
 そのため、供物と儀礼によりその力を善へと転じ、共存共栄することが大事と考えるのです。

ニュピ前日はバリ島中で悪霊払いの儀礼を行い、一年の穢れを祓い清めるのです。

ニュピはSepi(スピ=静か)が語源で「静寂の日」とも言われます。
労働、外出、火の使用、殺生が禁じられ、本来断食と瞑想で内省して過ごすそうです。
”悪霊ブタ・カラに見つからないよう、いかにも「この島には誰もいません」と言うように
家にこもり、生活の匂いも感じさせないよう過ごすのだ”とも言われます。
実際に断食するかや、静かに過ごす度合いは家や地域によっても違うようですが、
厳しいお家もあるようです。
ホテルのある女性スタッフは、「この日は娘とも一言も口を聞けない、誰とも話さない」
のだと言っていました。
子供達も、「騒いだら悪霊に見つかっちゃう!」なんて思うと、
怖くて静かになるのかもしれませんね。

観光客も宿泊施設の敷地内から出ることはできませんが、ホテルの営業自体は許され、
ホテル内のレストランで食事も出してくれます。
当日シフトに入っているスタッフは、帰れないので前夜と当日の夜は泊まり込みです。
(仕事は大変と思うけど、私が見る限り、若いスタッフは”お泊まり”も楽しいようです。)

私たちもホテルにいる限り、食事もあるし、何も心配せずのんびりしていられます。
そろそろ日が傾き、澄んだ大気を、夕方の光が満たしていきます。
sunlight28/03/17
ホテル敷地内にいるだけですが、澄んだ空と静けさをたっぷり味わい、
心が穏やかになっていきます。

バリ島サカ暦は太陰太陽暦なので、月ごとの季節感は、毎年大体同じになります。
師匠も「なんとかの月は雨が多い」とか「なんとかの月は強風が吹く」
とかよく口にしています。
ニュピのある第十番目の月Sasih Kadasaは、ちょうど雨季が終わりかけの頃で、
”稲の収穫に良い時期”とされます。
バリ島の稲作は、今でこそ2〜3期作が主ですが、1970年代に品種が変わる前は、
年1度、雨季に稲作を行う地域が多かったそうです。
とすると、昔はちょうど雨季の終わり、ニュピの前後に稲が実り、
刈り取る収穫の時期ということになります。
その時期に大がかりな悪霊払いの儀式をして、新しく一年を始めるとすることは、
個人的に推測すると、どうも稲作と関係が深いように思えます。
バリ島の寺院祭礼オダランも、古い寺院の場合はサカ暦でするところが多いです。
バリヒンドゥーの総本山ブサキ寺院及び、ブサキ寺院と関連の深いバトゥール寺院は、
サカ暦でニュピ後の満月が毎年オダランにあたります。
昔ならこれも稲の収穫時期に当たるわけで、、ひょっとすると日本の11月の
”新嘗祭”のような意味があったのかもしれませんね(個人的推測です)。

今では稲作も2〜3期作が多く、季節感は変わってしまっているでしょうが、
雨季のバリ島は、花々が多く緑も深いことに変わりありません。
spider lily28/03/17
足元には、スパイダーリリーの花がパッと開いていました。

見上げると、ジュプン(プルメリア)の花もたっぷり咲いています。
frangipani28/03/17
ジュプンの木、雨季は花だけでなく葉も多く茂ります。

ニュピの日は、労働や外出だけでなく火の使用もできないので、
仕事に行かないし、家にいても料理や家事はできないということになります。
師匠も、ほとんど年中無休で演奏の仕事をしていますが、ニュピの日だけは
毎年必ず休みになる、家でゆっくり静かに過ごせる、と楽しみにしています。
思えば、家事に忙しい主婦だってこの日は何も”できない”ので、
何もしなくていい、家によっては話さえしなくていい、ということです。
ある意味、誰にも気兼ねせず体も心も休められると思います。
日本でも昔はお正月や小正月など、女性が家事をしない風習もあったと思います。
宗教的な意味も大切ですが、実際には体を休められる、というのも
神様の粋な計らいかもしれませんね。

私も、何かできないのでゆっくりできる、そして静けさを味わえる、
このニュピの日は大好きです。

明日もこの日の続きを書きます。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。
Sampai jumpa besok(また明日)!

 ※ニュピについては、次のサイトを参考にしています。
  「バリ島ナビ」より「ニュピ〜サカ暦の新年」
  「バリ島旅行.com」より「バリ島のお正月ニュピ」 
  「ウブド・バリ アパ?情報センター バリ島見聞録」より「ニュピ」
   
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ニュピの日・夕陽を浴びる花々<2017年3月>

hibiscus28/03/17
こんにちは。今年3月のバリ島滞在、3月28日の続きです。
この日はバリ暦で”ニュピ”の日、観光客もホテル敷地外に出られないので、
私も昼間は部屋でのんびり過ごし、夕方また敷地内を散歩しました。
夕陽を浴びて、花々も朝とはまた違った感じに見えます。
ハイビスカスも、花だけでなく葉や茎の輪郭も、光でくっきりしています。

ココヤシの葉をバックに、オオゴチョウの花も鮮やかです。
peacock flower28/03/17
花びらの形、長い雄しべ、小さな蕾もよく目立ちます。

ヤマドリヤシがまとまって植わった一角で、上を見上げるのも好きです。
yamadoriyasi28/03/17
ココヤシより小ぶりでしなった葉が重なり合うと、とても風情があるのです。
葉ずれの音も、さわさわ、という感じで優しい感じです。

背の高いパンノキの、独特な形の葉が夕空にシルエットで目立ちます。
pannoki28/03/17
パンンキはクワ科の常緑高木で、特徴的な葉の形で、そうとわかりやすいです。
パンノキには、有核種つまり実の中に大きな種があるタネパンノキ(Breadnut)と
無核種つまり種なしのタネナシパンノキ(Breadfruit)とがあります。
どちらも緑色の大きな丸い実ですが、タネパンノキは実の表面がボツボツしていて、
ジャックフルーツに似た感じです。
タネナシパンノキは表面がつるっとしています。
この時は実はついてなかったけど、前に見た時はボツボツの方の実だったので、
この木はタネパンノキの方です。

タネパンノキはバリでTimbulと呼ばれ、ナンカ(ジャックフルーツ)の若実と同様、
スープや煮込みに使い、私も師匠宅で一度そのスープを食しました。
(食べた時の記事はこちら→「ある日のお昼ご飯とレッスン」
師匠と奥様の話では、ティンブルTimbulの方が実が小さいので、
時に巨大になるナンカの実より調理がしやすくていいのだそうです。
スープにすると、味がよくしみて美味しいです。

一方タネナシパンノキの実は、Wikipediaによればでんぷんが豊富で、
蒸し焼や丸焼き、あるいは薄切りで焼くなどして食べるのだそうです。
甘くないサツマイモのような感じらしいです。
また図鑑で調べると、タネナシパンノキのバリ名はSukunとありましたが、
私は食べたことがなく、バリでどう料理に使うのかは不明です。
ちなみに、南の島のお話で”パンノキ”と言って出てくるのは、どうやら焼いて食べる方の
タネナシパンノキでは、という気がします。
(私は子供の頃読んだ”ピッピ南の島へ”という本にも出てきた記憶があります)

明日も、夕方の散歩の続きを書きます。
今日も読んでいただき、ありがとうございました。
Sampai jumpa besok(また明日)!

 ※植物については、Wikipediaの他、次の本を参考にしています。
   「Fruits of Bali」Fred and Margaret Eiseman著 Periplus Editions
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ニュピの朝・ガーデンの花々②<2017年3月>

sikunsi28/03/17
こんにちは。今年3月のバリ島滞在、3月28日朝の続きです。
島中誰も外出できない静かなニュピの日、ホテル敷地内を散歩していると、
インドシクンシの花が咲いていました。
この花は、咲き始めは白で、次第にピンクから赤色に変化するのだそうです。
以前見たときは、全部赤色になった後の花だけだったので、
白っぽい色も混ざった花房を今回見られて嬉しかったです。
ここにあったのはまだ低木の状態ですが、シクンシはしだいにつる状になる木で、
以前泊まったホテルでは棚に仕立ててありました。

通路に沿って、カラーが植わっているところがありました。
爽やかな白のの部分は”仏炎苞”で、中心の黄色い穂状の部分が
本当の花ということになります。
この形の花は、サトイモ科の多くの植物で共通しています。
calla28/03/17
そういえばカラーって、和名は何だろう?と調べてみたら、
”オランダカイウ(オランダ海芋)”とありました。
日本にも江戸時代に渡来したそうで、”海芋=海外の芋”という意らしく、
当時国交のあったオランダから伝わったのが和名の由来だそうです。
俳句でも”海芋”は夏の季語になっているとありました。
そういえば日本で咲くのは夏ですね。
園芸品種が多く、葉の形もバリエーションがあります。

クロトン(ヘンヨウボク)も種類が多く、葉の色や形も様々です。
henyouboku28/03/17
バリのガーデンでは、鉢植え、地植えで何種類も植わっていることが多いです。

モンステラの葉も見事です。
特徴的な葉、モンステラの中でも代表的な品種”デリシオサ”だと思います。
leaf28/03/17
これもサトイモ科で、カラー(オランダカイウ)と同じ造りの花をつけますが、
こちらはホウライショウ(蓬莱蕉)、デンシンラン(電信蘭)の名もあるそうです。

午前9時半を過ぎ、日差しも強くなってきました。
sky1-28/03/17
空はますます青く、時折白い雲が流れていきます。

ヤナギバルイラソウの花は、紫色が涼しげです。
yanagibaruirasou28/03/17
この花は一日花で、夕方にはもう閉じてしまい、やがて落ちます。
でも毎日咲いているので、次々と花開いていくのでしょうね。
一見草の花に見えますが、キツネノマゴ科の低木です。
ここはやや高めに揃えてありますが、低く仕立てたのもよく見かけます。

さすがに暑くなって、一旦涼しい部屋に戻りました。
昼間はのんびりして、夕方涼しくなる頃に、またガーデンを散歩しました。
明日は夕方に見た花々のことを書きます。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。
Sampai jumpa besok(また明日)!

 ※植物については、次のサイトを参考にしています。
   「おきなわ 緑と花のひろば」より「インドシクンシ」
   「みんなの花図鑑」より「オランダカイウ(カラー)」
   「ヤサシイエンゲイ」より「モンステラとは」
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プロフィール

里花

Author:里花
花々と緑あふれる大好きなバリ島に、17年ほど前から通い続けています。
神々への感謝と祈りとして芸能を捧げるこの島で、ここ数年の滞在中は伝統音楽ガムランの楽器グンデル・ワヤン(上写真)を習っています。
現在東京在住ですが、近いうちバリ島に住むつもりでいます。

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